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アリセプトと同じくらい大切な個別性のある介護サービスとは?

2017年02月09日 23:50

アリセプトと同じくらい大切な個別性のある介護サービスとは?




介護の仕事へようこそ。アリセプト、ドネペジルというお薬の名前を知っていますか?介護経験のある人であれば、内服薬を確認した時に、アリセプトやドネペジルと聞けば「認知症を患っている」と察しがつくでしょう。
しかし、「認知症を患っている」を察した介護従事者が「その方にあったケアを検討しなくては・・・」と考える人がどの程度いる事でしょう。この「その方にあったケア」を考え提供するかが、「周辺症状の発生」「援助拒否」を防止、軽減する為に最も重要な事なのです。



アリセプト、ドネペジルは認知症の進行を抑制する効果のあるお薬です。認知症の定義には、「治らない」「進行する」とある通り、アリセプト・ドネペジル(以下アリセプトと記載)も認知症を完治する事を目的としたお薬ではない事を私たちは知らなければなりません。では何故アリセプトを飲むのか?との疑問を抱かれる事でしょう。それは、その進行を緩やかにする為なのです。




アリセプトの効果・・・




1970年代、「アルツハイマ―病」を発症すると「アセチルコリン」という脳内の神経伝達物質が減少し、記憶障害などの認知機能の低下が現れることが頭の良い研究者にて発見されたようです。そしてこの薬は何と日本で開発との事です。アセチルコリンという脳の神経伝達物質を分解する酵素の働きを抑える全身の中でも特に脳で選択的に作用する優れた認知症の治療薬です。


①脳の中で「記憶する」「学習する」との働きをするために情報の伝達をおこなうのですが、
 その為には「アセチルコリン」君が必要。


②アルツハイマー型認知症になると、この「アセチルコリン」君が少なくなる。


③更には「コリンエステラーゼ」さんが発生し、何と「アセチルコリン」君をやっつけてしまう。


④同時に「海馬」という脳の「記憶」を司る場所が小さくなる。


①→④の流れによって、過去の出来事を忘れ、計算等の得た知識が苦手となり、箸の使い方やいつも行っていた動作や手順に迷うように症状の進行とともに、出来ないことが増えていってしまうのです。上記の進行を緩やかにすべく、早期に診断(他の記憶障害を引き起こす可能性のある疾患を除外)し認知症の診断、治療を早急に開始する事が大切である事がわかって頂けたでしょうか。



認知症にはもう一つの定義があり、「中核症状がある」事です。「周辺症状」が世間的にはTVやニュースで知られているとは思いますが、この「周辺症状」の発生には「ストレス」が引き金となっている事が多いという事も知っておきましょう。



介護の現場で例をあげるならば・・・「利用者さんの世界に合わせない」介護の提供です。画一的な対応、「薬は飲まなきゃダメ」「お風呂は入らなきゃダメ」「トイレに行かないとダメ」といった、介護者主体の考えかたです。認知症の利用者さんの対応を得意とする職員、そうでない職員がいませんか?




認知症の対応が上手な職員は決して「優しい職員」と言うわけではありません。「強要をしない」のです。本人が「嫌だ」との援助を強要するのではなく、会話や説明を行い「なぜ今は嫌なのか」上手に交渉をするのです。
対応が下手な職員こそ、時間なので、飲まないと・食べないと困ります・・・。と自分の都合を押し付けるているのです。



認知症への対応は、医療も大切です。適切な治療を行い、症状にあわせた薬を内服する。それと同じく大切なことは周囲のサポートです。薬の調整があるように、介護サービスの内容もその心理状況や世界観にあわせた計画が必要なのです。希望しな形の援助提供は逆にストレスを発生させ「周辺症状」の更なる引き金となってしまうでしょう。また適度な「参加の機会」や「役割の継続」によってその方の能力を維持させる事は薬の目的と同じく重要な事なのです。




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