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認知症はこうして作れれるのです

2016年04月01日 10:36

介護の学校へようこそ。


今後この国が迎える高齢化社会に伴い認知症患が増えるであろうと言われている事は皆さんご存知の事でしょう。同時に晩婚化や少子化、結婚に意味を感じない人が増えています。結婚や生き方はそれぞれである私個人は思っています。しかし現実は65歳以上の高齢者の立場になり、配偶者や子供がいない立場はどのような状態であるか?皆さんはどの程度想像されていますか? 

 

先日そのような事を考える場面に立ち会う機会がありました。 ご主人を亡くされ(私はご主人のケアマネジャーでありました)兄妹とは疎遠。勿論両親は既に他界されています。介護サービスの利用をされていないので、地域包括支援センターがその後の生活をとても心配された結果、成年後見制度の利用を提案されたのです。

 

 生前のご主人はとても几帳面な方であり、老後の設計や日々の生活。ずべてを自分で管理されていましたので、残された奥さんは現在預金がどの程度あるのか。これからの人生をどのように暮らしていくのか。全く不明瞭でありました。 深く物事を考えない性格、自分が納得するまで同じ質問を繰り返す事を周囲は心配して成年後見制度が必要であると提案をされたのです。

  

これまで洗濯は手洗い、エアコンも使った事がない、病院や定期の健康診断も利用したことが殆どない。人生設計はご主人が担当されていた。このような人生であれば、成年後見制度?と聞いたこともない重々しい制度に抵抗感を示す事は当然でしょう。

 

 しかし周囲は「病気になったらどうする?入院の手続きや同意は誰がするの?」そのような一般的に当然であろう可能性にて彼女を無理やり納得させたのです。その制度を利用するまでかなり時間がかかりましたが、それを決定づけたのは突発的な体調不良による入院でした。  その後診断書作成の為病院を受診するのですが、そこで「不安なので一緒にきてくれないか」と奥さんに頼まれ同席をしたのです。

 

 私からみれば、入院の手続きやこれからの人生をどのような場所で生活するのか。「まだ大丈夫ですよ」と何の根拠もなく力説する奥さんを見て何かしらの制度を利用する事は必要であるとは思いますが、一人でしっかり生活をし、予定の把握やご主人がなくなった後の様々な手続きをお一人でされた奥さんに、何故成年後見制度なのかは不明でした。

  

病院に行くと(包括・権利擁護が推奨する病院)全く不愛想な先生が提出された書類を見て、「はいはい、成年後見制度ですね」と言いました。奥さんと話をするわけでもなく、その風貌と手渡された書類の内容から「認知症の患者さんね」との対応でした。簡単な稚拙な質問をされ、聞き取りにくく分かりにくい質問内容を奥さんが繰り返すと「やっぱいね」というような対応でした。

 

 

 

次に隣室で簡易テストを実施します。長谷川式を1回だけ試されました。そしておもちゃ箱のようなものから、はさみ・ボールペン・眼鏡・消しごむ等をテーブルに乱雑に置き、それを片付け終わると「今テーブルにあったものを答えて」これで問診と簡易検査は終了です。おそらくこの後 血液検査や画僧診断を経て、主治医の診断書にて認知症が出来上がるのだな・・・と実感しました。勿論現時点で奥さんは、薬は何も飲まれていませんし一人暮らしをされています。

 

 

ある程度の年齢になると、周囲からあなたの言葉は軽視されるかもしれません。ある程度の年齢になると、身寄りや保証人がないと相手にしてもらえないかもしれません。ある程度の年齢になると、周囲から安全を押し付けられます。それに認知症が加われば、様々な自由を奪われるかもしれません。その権利を最後まで守ってくれるのが、配偶者や子供なんでしょうね。

 

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