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食べられない事を家族はどう考え、決断するのか。

2016年06月04日 19:05

 

食事量が低下していた利用者さんが受診をした結果、入院となりました。高齢の男性利用者さんです。担当医からの説明では、食事がとれない理由としては、①胃腸の疾患②口腔内の問題③認知機能の問題④神経伝達に問題があるか?希望があれば除外をする為の検査を行い、どれにも該当しなければ本人の意思であるとの内容でした。

 

次に食事をどのようにとるか?との問題になるのですが、①口から食べる②鼻から栄養をとる。③胃から栄養をる。③静脈から栄養をとる。との対応になります。

  

 口から食べると言う対応は自然ではありますが、食事量が低下している人に日に三度の食事は大変な事です。食事をする・・・との行為自体が疲労感につながっている状態では、十分な栄養をとる事が難しいうえに、苦痛でもあります。

  

次には鼻腔栄養や胃瘻、中心静脈栄養となります。高カロリー飲料を管を通して体内に流すわけです。輸液を流す為の管が常にあるわけですから活動への影響、味を感じる事が出来ない、定期の交換、感染リスクなどが発生します。また下痢をしやすいとの弊害もあります。


何より食事ではなく、栄養をとる事が目的となるのです。メリットとしては栄養のコントロールが容易であり、それによって体力の回復が期待できます。 

 

先生はとても親切でした。説明がわかりやすく、何より長年介護をされていた奥さんに考える時間を提供してくれました。そして、最後にこう言われたのです。 

 

私は高齢者の延命策をあまり勧めません。私自身が人口呼吸器を付けた経験がありますが、とても苦痛であったと。研修医は熱血漢から検査や手術を応援しますが、苦痛で無意味な時間を本人に継続して与える事にもなるのでは?

  

奥さんは考えさせてください。との事で話し合いは終了です。ケアマネ(この時の私は担当ケアマネでした)としては奥さんの決断を支援する予定です。奥さんの決断によってはどのような介護が必要となるか、どのような最期を迎える為の支援になるのかは分かりませんが、奥さんの後悔が残らない決断が可能となるよう、支援をするつもりです。

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