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高齢者のいじめってあるの?

2016年03月14日 09:35
 
やる気の低下やそれに伴う認知機能の低下。皆さんはどのような対策が必要であると考えますか? 
記憶力の低下、認知機能の低下により日常生活に支障が発生すれば、お医者さんでは殆どの場合薬の処方がされる事でしょう。しかしそれだけでは解決する事は難しいはずです。
 
 
理由は、BPSD「認知症の行動・心理状態」は中核症状の影響から発生する可能性が高いからです。周辺症状は性格や生活環境によりその発生する症状は異なる為、個別の対応が必要となるでしょう。ですから、薬の処方がすぐに問題の解決とはならない事が多いのではないでしょうか?通常薬は、副作用を考慮し少ない量からはじめ効果や症状を考慮し増量していきます。
 
 
 
Aさんは女性。車いすの利用者さんです。数か月前から食事量が低下し(主:副ともに1/2程度)はじめ、トイレ手順や食堂までの移動に混乱をきたすようになったのです。失禁される事も増え、それに加え乾燥時期もあってか背中の書き傷も増え始めました。
 
 
 
排泄援助を増やし、病院受診をし背中や乾燥部への保湿剤の塗布を実施しましたが、根本的な解決には至りません。Aさんとお話しをした結果、「息子がこない為に毎日さみしい・・」との内容でした。
 
 
Aさんの息子さんは私が勤務する施設に週に2回は必ず起こしになります。病院受診の付き添いや、天気の良い日は近くを一緒に散歩されたりしています。最近では息子さんと散歩をした数時間後に、「息子がこないの・・・」と悲しそうにお話しをされる事がふえはじめたのです。
 
 
 
私と担当ケアマネにて対応を検討した結果、周辺症状の大きな原因であるストレスの軽減を目的とする事とし、
退屈、不安な時間を軽減する為に通所サービスの利用を体験する事にしたのです。  3時間程度、昼食を兼ね利用する予定でありましたが「強く帰宅を希望されています」と通所から連絡がはいり失敗。。。
 
 
 
次に主治医に生活状況を報告し、リバスタッチパッチを開始する事になりました。薬の処方に伴い、訪問介護事業所には薬の説明と下痢や食事量低下等の副作用の発生に注力するようお願いをいたしました。更に問題であった、エレベーターの操作ができない・他の利用者さんから迷惑な人として扱われている。この2点を解決する為に、食堂までの往復移動援助、食堂利用時間を変更する対応を実施しました。
 
 
翌日から薬の効果?か数か月ぶりに食事を完食されたのです。変化としては・・・①表情が豊かになり笑顔がふえる。②食事の集中力が向上。結果食事量が増える。③寂しい・・・との発言が減少する。
 
 
 
今回の反省点としては、対策の順番が間違った事でしょう。中核症状である見当識・判断力の低下により他の利用者さんから「迷惑なひと」として扱われていた心理負担が、Aさんの大きなストレスであったのだと思います。
重要視すべきは、ストレスの除去、次に必要な援助の提供。そして薬の処方であったのだと思います。
 
 
BPSDは人格や生活環境により異なる為に、その方を知る事が大切です。人が変われば当然、希望や不満も異なります。何に対し不満や不安を感じているのか?その解消の次には何を提供すれば自信を持ち満足をされるのか? 
私たちは単にケアを提供するだけではなく、どのような状態の方であっても目標を掲げ生活を支える必要が
あるのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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