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疾病の概要
心臓や首の動脈血管でできた血栓(血の塊)が脳の動脈血管に流れ着いて詰まってしまい、
その結果として起こる脳梗塞です。
大きな脳の動脈血管を詰めてしまうことも多く、突然症状が起こるため重症化しやすい脳梗塞です。
心臓の病気(心房細動などの不整脈、心臓弁膜症、心筋梗塞など)がある方は、特に注意が必要です。
予防としては、もともとの病気の治療のほかに、血栓(血の塊)ができにくくする薬を使うこともあります。
脳梗塞を次の3つに分類
アテローム血栓性脳梗塞
脳や頸部(けいぶ)の比較的太い血管の動脈硬化が、加齢、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などにより起こりその部
位で血管が詰まってしまったり血流が悪くなったり、
またはそこにできた血栓がはがれて流れていき、さらに先端の脳の血管の一部に詰まってしまう状態です。
心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)
心房細動(しんぼうさいどう)や心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、心筋梗塞(しんきんこうそく)などのために心臓のなか
に血栓ができて、それが脳に流れてきて詰まった状態です。
ラクナ梗塞
主に加齢や高血圧などが原因で、脳の深部にある直径が1mmの2分の1〜3分の1くらいの細い血管が詰まり、
その結果直径が15mm以下の小さな脳梗塞ができた状態です。
脳卒中全体のところで書いたように、日本では今、脳卒中の約4分の3が脳梗塞です。またその内容をみると、
以前は日本の脳梗塞の約半分を占めていたラクナ梗塞が少しずつ減り始め、アテローム血栓性脳梗塞や心原性脳塞
栓症が増え始めている。
原因
①心房細胞により心臓内で生成された血栓が脳内の動脈にとび、閉塞を起こす。
②動脈硬化により頸動脈に血栓が発生、脳内の動脈にとび閉塞を起こす。
③高血圧が引き金となり、血栓が発生。脳内の動脈にとび閉塞を起こす。
心房細動・・・
高齢者に多く見られる不整脈で加齢とともに増加。
比較的起こりやすい不整脈で、自覚症状は動悸に気づくことがあります。
心房細動は洞結節の正常ペースメーカからの信号では心房の興奮が始まらず、
心房内(主に左房にある肺静脈付近)で1分間に350~600回の不規則な電気信号が発生し、
心房全体が小刻みに震え、心房の正しい収縮と拡張ができなくなる不整脈です。
心房収縮がなくなり心室の拡張期に十分血液が満たされないため、心臓の機能が低下し心臓から出る血液量も約20%減少します。
息切れやめまい、胸苦しさなどの症状を起こしやすくなる。
ケアマネジメントにおける注意点
高齢者の脳塞栓患者は心臓に原因がある事が多く、退院時に
血栓生成を予防する薬、心臓の治療薬が投与される事が多い。
ワーファリン等の血栓融解剤が使用されている場合は、心臓エコー検査を適宜行い定期に採血をし用量を調整する必
要がある場合がある。定期受診手段の確保が必要。
予防は生活習慣の改善
脳梗塞が起きやすいのは高齢者です。
また男性に多いのですが、他の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症、
心臓病、ストレス、喫煙、大量飲酒、脱水、肥満などは、いずれもいわゆる生活習慣に関係したものです。
脳梗塞の予防はまず生活習慣を正し、かかりつけ医の指導に従って、治療すべき生活習慣病を早めに治すように努力
することが必要。
急いで病院に運ぶ理由
最近は脳の検査法が非常に進歩して、脳卒中はCTやMRIを使うと早期に確実に診断ができるようになりました。
CTで梗塞がもっとはっきりしてくるのは、24時間たってからです。
診断法ばかりでなく治療法も進歩しています。詰まってしまった塞栓(そくせん)や血栓を薬で溶かしたり、
また梗塞の中心部や周辺部に生じるフリーラジカルという有害物質を除去する薬も開発されています。
脳梗塞の中心部は、
血管が完全に詰まるとその先は1時間くらいで梗塞になってしまいますが、
その周囲の部分は1〜数時間はまだ生きていて、早めに適切な治療が行われれば機能を回復することも可能です。
しかし治療開始が遅れると周囲の組織も徐々に壊死に陥り、1本の血管が詰まっただけなのに時間とともに梗塞は少し
ずつ大きくなっていきます。
詰まった塞栓をせっかく溶かしても壊死に陥った組織(梗塞になった部分)に大量の血液が入り込むので、
部分的に出血を起こして出血性梗塞になることもあるのです。
ですから脳梗塞ではなるべく早く、
できれば発症して3時間以内に治療が開始できるよう、すぐに専門医のいる病院に患者さんを運んでください。
脳梗塞に気づいたらどうする???
何かおかしいと感じたら1分でも早く専門の医師のいる病院に行くことです。
また、普段から脳卒中が起こったらここ、心臓発作らしかったらこの病院などと考えておくことが必要です。