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介護の学校にようこそ

高齢者介護の現場では、突発的な体調変化に遭遇する事も珍しくありません。管理者との立場ともなれば、部下や登録職員、家族や本人から「どうしたらよいでしょうか?」と対応・判断・決断を求められる立場となるのです。基本的知識が必要であるとの事は容易に想像つくでしょう。想像してください。あなたは明日から3連休。友人や家族と旅行をするよていです。さて帰ろうかな・・・と帰宅の準備を始めたところ1本の電話がかかってきました。「転倒しました・・・どうやら骨折しているようなのですが・・」さてあなたはどのような対応をしますか?



高齢者で多い骨折・・・・肩・股関節・手首・背中



特徴1:
高齢者の骨折を起こしやすい場所がある。
高齢者では、手首、股関節部、脊椎、肩関節部などが代表的です。これは転倒によってわずかな外力で骨折を起こしやすい部位と一致しています。


特徴2:
局部の症状が軽い。
高齢者では、わずかな外力で骨折を生じるため、また骨についている筋肉も細くて弱いため、骨折の端のズレが少ないため、結果として動かしてもそれほど痛くなく、骨折部位の症状が軽いのが高齢者の特徴です。


特徴3:
骨折の治りが遅い。
高齢者の骨折では子供の骨折とは異なり自家矯正能力が乏しいため骨折が治るのに時間を要することが多いのです。
血流の少ないところの骨折(足の付け根、上腕部の上部など)はさらに時間がかかる要因になります.




 

痛みへの対応 確認

痛めた部位の骨をそっと押してみて、そこに強い痛みがあれば骨折が疑われます。押したときに感じる痛みを「圧痛」といいます。完全に折れているときだけでなく、ひびが入ったときもこの圧痛はみられます。粗しょう症や疲労骨折では外力がかからなくても発生する事あり。長時間痛みの継続がみられる際は、骨折の可能性を疑いましょう。

 

変形・異常可動性

骨折では、骨が曲がるなど、外見からも明らかに折れていることがわかります。これが変形です。このようなときは、みるみる腫れてきて、強い痛みも出現します。

変形がなくても、異常可動性がみられれば骨折しています。

 

内出血

骨折すると、骨折部から出血します。骨周辺の軟部組織(筋肉や腱など)も傷つくことが多く、ここからも出血します。

骨折により大量に出血した場合は、低血圧となってめまいや冷や汗、意識消失などの脳貧血症状があらわれることもあります。

 

腫れ

骨折してから数時間後に、骨折部周辺が腫れてきます。
これは出血や炎症によるもので、腫れがひくまでには2~3週間かかることもあります。

 

 

骨折には、主に3つの分類

 


1、骨が外に出ているかどうか?
2、骨折の原因は何か?
3、どのような折れ方か?

 

1、開放骨折

折れた骨が皮膚を突き破って外に出ているものを開放骨折と呼びます。またの名を複雑骨折とも呼びます。

「複雑」というのは骨が複雑に折れているという意味だと勘違いをされる方が多いですが、決してそうではなく、治療が難しくなるという意味の複雑なのです。

骨が外に出てしまったために、骨の断面や傷口から感染を起こしやすく、慎重な処置が必要になります。

 

2、閉鎖骨折

折れた骨が外に露出していないものを、開放骨折に対して閉鎖骨折と呼びます。またの名を単純骨折と呼びます。

一般に、開放骨折よりも治療は容易です。

 

 

骨折の原因による分類

1、外傷骨折

体に外からの強い力が加わって骨折したものを言います。たとえば、転んだり、ぶつけたり、

交通事故にあった場合などです。普段、骨折と聞いて思い浮かべるのはこの外傷骨折でしょう。

 

2、疲労骨折

骨に長い期間をかけて繰り返し力がかかることで骨折するものです。ちなみに、

骨にヒビが入るだけでも骨折と呼びます。毎日トレーニングをしているスポーツ選手や、重いものを運ぶ仕事をしている人に起こりやすい骨折です。

「剥離骨折」は、骨とつながっている腱や靭帯に強い力が加わることで、つながっている部分の骨が剥がれてしまう状態のことを言います。

足首や膝、手首などの関節部分に起こることが多い骨折です。

 

3、病的骨折

病気によって骨が弱くなってしまったために起こる骨折です。骨折の直接の原因は外からの力が加わったことですが、

病的骨折の場合には、健康な人なら全く問題ない程度の力でも骨折してしまうのです。

 

■骨の折れ方による分類

1、完全骨折

骨が完全に二つ以上に分かれてしまった骨折です。いわゆる「ポッキリ折れた」場合は完全骨折です。

2、不全骨折

骨が完全には分かれていないものを、完全骨折に対して不全骨折と呼びます。

いわゆる骨に「ヒビが入った」状態を亀裂骨折と呼びますが、この亀裂骨折も不全骨折のひとつです。

 

 

大腿骨頚部骨折の手術方法

骨接合術と人工骨頭置換術という2つの治療法のいずれかが行われる。

 

大腿骨転子部骨折の手術方法

骨接合術が一般的に行われる。 大腿骨転子部骨折は非常に骨癒合しやすい骨折で、金属の器具で固定する手術が一般的。

 

リハビリテーション

下肢骨折の術後のリハビリテーションは,

①ベッド上坐位保持訓練

②車いすへの移乗

③立位保持訓練

④平行棒内歩行訓練

⑤歩行器歩行訓練

⑥松葉杖歩行訓練

⑦T杖歩行訓練

この間に骨折した骨に隣接する関節を動かす訓練や筋力トレーニングを並行して行います.

高齢者では松葉杖歩行訓練が技術的に難しいことが多く,リハビリテーションでは歩行器からT杖歩行に移行するか,

その間に手を引いての歩行訓練を挟むのが普通です.

 

予後・・・

早期からの起立・歩行をめざした訓練が必要であり,手術翌日からベッド上での坐位訓練が行われる。

半年から1年後に元通りに近い歩行能力を獲得できるのは,全体の50%程度にすぎません.

本人のリハビリテーションに対する努力と,家族の励ましが重要です.

※大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折を受傷した人は,反対側の骨折を生じるリスクが高い。

 

肋骨 骨折

肋骨は左右12対の骨で背中の胸椎から前胸部の胸骨までかごのように胸腔を形成。

 

疼痛が軽度

消炎鎮痛剤の内服と湿布などで経過をみる。

 

疼痛がやや強い場合

バストバンドやトラコバンドとよばれる固定帯による圧迫固定を追加。

※手術が行われるがほぼなし。

※胸腔内損傷を合併している可能性もある為(肺や心臓、大血管)早めに医師の診察を受けたほうがよい。

 

脊椎圧迫骨折

背骨の椎体がつぶれて扁平になったもの。

多くは後方へ転倒し尻餅をついたときに生る。

す。「みぞおち」の後方にある背骨(胸椎と腰椎の移行部)に骨折が生じやすいが、痛みは骨盤付近の腰部に感じます。

 痛みには特徴があり、寝ている姿勢から起き上がろうとする瞬間に鋭い痛みが生じ、

一旦立ち上がればあまり痛くなく、歩行もなんとか可能。(体動時腰痛)

 

橈骨・遠位端骨折

転倒した時に手をついて受傷するのが、手首の骨:橈骨(とうこつ)。

年齢による種類

子供の骨折

青壮年の骨折

高齢者の骨折

 

地域により救急外来の案内番号があり、その番号に連絡をすると患者の症状により専門機関を提案してくれたり、

近隣の病院や専門の先生が勤務している時間帯であるかを調べれくれます。是非利用してみてください。

 

骨折の対応には病院でレントゲンを撮る必要があります。

 

夜間・土日等、病院受診をした際に対応可能な医師が勤務している必要があるため、あらかじめ病院に確認してから受診しましょう。



私の過去の経験では・・・


転倒による股関節(頸部骨折)や、しりもち等による腰椎・胸椎の圧迫骨折が多いです。骨折があると強い痛み、認知症等によっては痛みの表出の問題から、痛みの訴えが少ない人も少なくありませんが、私が遭遇した数人はどなたも動作時の痛みの訴えがあり、場所を特定する事も容易な状態でした。可能であれば事前に転倒・骨折等の対応として、救急搬送先を確認しておくこと。バイタル測定実施、痛みが強い時は楽な姿勢をとってもらい主治医・看護・家族に確認。または救急搬送要請をしましょう。


救急搬送の場合、退院に「希望搬送先は?」「家族の対応は?」と必ず聞かれます。答えられる準備をしておきましょう。

いつから痛いのか?どのように痛いのか?もあわせて回答します。

救急車が到着したら、年齢や内服薬、現病歴を聞かれます。「わかりません・・・」は救急隊員に「はぁ?」と言われますので、準備し、場合により情報のコピーを渡します。


大腿部や頸部・手首の骨折では搬送先にて手術も可能だと思いますが、腰椎や胸椎は「保存治療」となる場合も少なくありません。

「保存治療」→病院は手術をできない→安静にするしか対処法がない・・・を意味します。搬送をしても、受け入れてくれない、入院ができない等の結果になる事もありますので、注意しましょう。


最後に、高齢者の体調不良の対応で大切な事は普段の我々の準備につきます。

①希望搬送先②1番最初に誰に相談するのか?③現病歴や内服薬の一覧を準備する④相談窓口の医療機関をあらかじめ決めておく。

①②③④を事前に準備していれば、後は落ち着き対応すれば大丈夫です。

1度経験すれば、度胸つきますよ。。。


 

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