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それでも延命を希望されますか
食事量が低下していた利用者さんが受診をした結果K病院に入院する事となりました。
高齢の男性利用者 Aさんです。
K病院の担当医からとても丁寧な説明がありましたのでお知らせいたします。
担当医は1枚の紙を皆に手渡し現在の状況を説明し始めたのです。
食事がとれない理由として・・・
- 胃腸の疾患。
- 口腔内の問題。
- 認知機能の問題。
- 神経伝達に問題。
上記の問題が考えられるようです。
病気の原因を特定する為には問診をします。いつから問題が発生したのか。現病歴・既往歴。内服薬や普段の生活・・・。
病気を特定する為の情報を収集します。
先生の所見では上記の問題は考えにくい為、
結果食事量が低下している原因は本人の意思である。との内容でした。
希望があれば上記の除外検査を実施しますが、食事が摂れず点滴での水分補給にて生命を維持されている現段階では、それらの検査は苦痛を伴うものになりますが・・・。
また別の手法の説明をしてくれました。
経口以外からの栄養摂取方法、鼻腔栄養や胃瘻、中心静脈栄養の説明です。
高カロリー飲料を管を通し体内に流すわけです。
輸液を流す為の管が常に存在するわけですから活動への影響、味を感じる事が出来ない、定期の交換(継続した援)、
感染リスクなどが発生、下痢をしやすくなると。
メリットとしては栄養のコントロールが容易、体力の回復がある事。
説明を終えた先生は病院での治療はこれ以上ありません。
現状での退院を決断されるか、経口以外での栄養摂取可能となる手術を行うか、
1週間程度で答えを聞かせてほしいとの内容でした。
この度の先生は説明がわかりやすく、考える時間を提供してくれました。
そして最後にこう言われたのです。
私は高齢者の延命策をあまり勧めません。私自身が人口呼吸器を付けた経験がありますが、とても苦痛だったそうです。
とかく研修医は、その熱血漢から検査や手術を応援しますが、苦痛で無意味な時間を本人に継続して与える事にもなるのでは?
その後、私と奥さんとでお話をした結果、退院の決断をしました。
退院日となり自宅で点滴が可能な環境と訪問看護サービス内容に点滴の管理を追加したケアプランにて対応しました。
数日後、自宅にて息を引き取られたのです。
奥さんが退院を決断できた理由として、これまで介護サービスにかかわった職員の言葉が大きかったと思います。
皆「奥さんは良く頑張られましたよ」と言葉をかけてくれたのです。
そしてK病院での丁寧な説明。
もしも担当医が他の先生であったら・・・。一緒に頑張りませんか?と別の選択を提案されたら。
私はケアマネジャーですので、決断を促すような言動は慎みます。
あくまで奥さんが決定した決断のお手伝いをするまでです。
故に、私の立場ではあの言葉を奥さんに言ってあげる事はできません。
先生はそんな奥さんを解放する為に丁寧な説明をして下さったのかもしれません。
